非日常を楽しむ執事カフェ

執事

近年、若い世代の注目を集めるスポットといえば「コンセプトカフェ」です。コンセプトカフェとは何ぞや、と聞きなれない単語に戸惑う人もいるかもしれませんが、古くはメイドカフェ、近年はキャラクターズカフェがその代表だと言えるでしょう。店の内装からメニュー、接客までテーマやコンセプトで統一されているカフェのことです。

世に数多あるコンセプトカフェの中でも、他と一線を画しているのが「執事カフェ」です。「メイドカフェの男女逆転版だろう」と侮るなかれ、執事カフェは、気軽に入れる雰囲気のメイドカフェとは違い、格調高い店内、そしてウィットに富みながらも品のある接客が売りなのです。お客様をご主人様、お嬢様に見立て、「屋敷に帰宅した主人を出迎える」という態をとるところはメイドカフェと似ていますが、迎えてくれるのは古い洋画に出てくるような、ぴしっと黒の執事服を身に着けた、様々な年齢の執事たちです。執事カフェの中には、プロの執事のように接客を行うため、従業員にマナー講習を受けさせているところなどもあります。カフェに一歩足を踏み入れたその瞬間から、良家のご主人様やご令嬢の気分を味わえる、高貴な存在として扱ってくれるのが執事カフェの人気の理由なのです。

また、執事カフェでは、コーヒーや紅茶、食材などにこだわる店も多く、執事たちの丁重な接待だけでなく、洗練された本格派の食事メニューやドリンクも売りのひとつなのです。焼きたてのスコーンやサンドイッチ、濃厚なクロテッドクリームやジャムをセットしたアフタヌーンティーセットは、イギリス式のお茶会のような上品な一時を感じさせてくれるでしょう。香り高い紅茶を飲み、イギリス風パンケーキのクランペットにナイフを入れれば、まるで優雅な午後を満喫する英国貴族気分が味わえます。

執事カフェを愛する「ご主人様、お嬢様」たちも、店内にいる時の服装や立ち居振る舞い、言葉遣いなどに気を遣い、執事カフェならではの気品漂う雰囲気を楽しむ努力を惜しみません。執事と聞くとどこか堅苦しいイメージを抱く人も多いかもしれませんが、執事カフェではマナーや品格を求められるのではなく、自分が価値ある存在だと実感させてくれる、店全体の雰囲気を楽しむものなのです。普段の生活ではまず体験できない、上流社会に紛れ込んだようなドキドキ感を味わえるでしょう。退屈な日常に飽き飽きして、気分転換したいという人にも、このようなコンセプトカフェはピッタリです。